5号機

春山荘育ち春山荘育ち

食育という言葉が聞かれるようになって、どのくらい経つでしょうか。魚が泳ぐ姿、野菜が育つ姿を知らない子どもたちが増えています。また、『トントン、コトコト』という料理の音さえも『チン!』に変わりつつある現代、料理の食材がどのような過程を経て、どのように作られているか、知る由もありません。

ぐるり大自然に囲まれた、ここ春山荘。近くの山には畑があり、その畑を埋め尽くすかのように野菜が青々と茂っています。小屋の中を元気に歩き回る鶏たち。そしてそこには、畑の主である当館の“おじいちゃん”。

「昔に帰るんだ」とはおじいちゃんの言葉。おじいちゃんが幼少の頃は地域ぐるみで自給自足の生活をしており、野菜を自宅で育て、たくさん採れたら近所におすそわけするのが当たり前でした。あげたりもらったりの交流で、地域が密になっていたのも昔ながらのよさではないでしょうか。しかしそれが難しくなった現代だからこそ、おじいちゃんはエネルギーを注いで、自給自足の生活を取り戻すのです。

自ら管理する畑で育った元気野菜をお客様におすそわけするのが、春山荘のスタイル。『自給自足』という昔ながらの方法を大切にして、自然の恵みを循環させています。

その土地でとれた旬のものをその土地でとれた旬のものを

その土地で自然に採れる食材を旬の時季に食べるのが、実は一番体によいと言われています。食材ひとつひとつに体を温める・冷やすなどの特性があり、人間の体と自然の摂理が調和しているからです。

春山荘では、十和田の気候でも無理なく十分に育つ野菜や山菜を中心に育てています。ほうれん草など『葉の野菜』、大根など『根の野菜』、さやえんどうなどの『豆類』は、春から秋にかけて生命力をみなぎらせ、一番おいしい状態で食していただくことが出来ます。また、一般的な家庭菜園では珍しいきのこも、枝や切り株に菌をつけて育成しています。四季の移ろいの中で自然な状態で育まれた野菜やきのこは、薫り高く味が濃いのが特長です。

湖と畑、自然をつなぐ『おじいちゃんの知恵』湖と畑、自然をつなぐ『おじいちゃんの知恵』

おじいちゃんはヒメマス漁にも出かけます。漁ではヒメマスのほか、フナなどの魚も釣れます。フナのアラや内臓などは、ビニルハウスの薪ストーブを利用してコトコトと煮込み、畑の鶏たちにえさとして与えています。えさで力を得た鶏たちが害虫駆除に駆け回るので、農薬もそれほど使わなくて済みます。自然をつなぐおじいちゃんの知恵に、無駄はありません。

春山荘育ちフォトエリア
畑の仲間たち
畑を切り盛りしているおじいちゃん
ミネラルたっぷりの野菜たち採れたての味は、格別!
みずみずしくておいしいよ。だいこん
うわさの薪ストーブ。年中大活躍!
女将さんブログ

春山荘のこと、十和田のこと、食のこと、女将さんが思いつくまま書き綴ります。

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